女系天皇:自民新人男性議員「伝統が大事」と反対続出

 自民党新人議員、所謂「小泉チルドレン」の自主研修会で「男系継承維持」の主張が相次いだそうだ。皇室問題の専門家を講師に招いてきちんとした勉強をすれば自然に到達する見識である。離党覚悟の強硬論もあったそうだが、その意気込みやよしとする。ただ、官邸には恣意的に典範改悪を推進しようとする勢力もあるようだから竜頭蛇尾にならぬように気をつけて欲しい。

 小泉純一郎首相が来年通常国会で成立を目指す女性・女系天皇容認のための皇室典範改正で、思わぬ「抵抗勢力」が現れた。自民党新人議員でつくる「83会」の自主研修会で議論したところ、「世論より伝統が大事だ」として「男系継承維持」などの主張が相次いだからだ。「場合によっては離党せざるを得ない」という強硬論も飛び出し、首相が教え子たちの反乱に手を焼く事態も起きかねない雲行きだ。

 約30人が出席した研修会は14日、党本部で開かれ、これが第1回。皇室典範改正の賛成・反対両方の学者を招いて議論した。

 10人近い女性議員らは、稲田朋美議員を除いて「時代が変わったので男系にこだわる必要はない」などと女帝歓迎論が多かったが、20人近い男性議員は、発言した全員が「男系を変えたら天皇制が壊れる」「国民的な議論が不十分。なぜ急ぐのか」などと反対論者。

 「郵政とは比べものにならない国の根幹にかかわる問題だ」「皇室の問題は世論に従うべきではない」などと、郵政ブームで当選した議員らしからぬ意見も。稲田議員は、男系維持のために旧宮家を復帰させる私案を披露し、男系維持派の講師、八木秀次高崎経済大助教授は「83人は大きい力になり、国の行く末を左右する。過去の新人とは違う」と激励した。【野口武則】

毎日新聞 2005年12月15日 20時55分

 また一方、超党派議員で作る「皇室典範議員懇」では対案を提出する動きもあるようで、いよいよこの問題に対する国会議員の危機意識が本物になりつつあるようで頼もしい。その背景には、国民の関心の高まりがあることは言うまでもない。

皇室典範 議員懇、対案提示へ 女性・女系「現行で継承可能」も

 政府が来年の通常国会に、女性・女系天皇を認める皇室典範改正案を提出する方針を示していることを受けて十四日、国会議員による勉強会が相次いで開かれた。
 超党派保守系議員でつくる日本会議国会議員懇談会(二百四十二人)はジャーナリストの櫻井よしこさんを講師に招いて第四回勉強会を開き、政府案の対案をまとめる方針を明らかにした。櫻井氏は「(GHQによる)旧十一宮家の皇籍離脱は日本人の選択ではなかった」と指摘した。
 弁護士資格を持つ稲田朋美衆院議員は、数十年後に皇室典範一条の条文「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」に該当する継承者がいなくなっても、現行法を改正しなくてもいいとするアイデアを紹介。「緊急避難的に、継承順位を定めた二条にある『皇族』に、皇族でない者(旧皇族ら)を類推適用して皇族の範囲を広げればいいのではないか」と述べた。この案についても、議員懇として衆院法制局と検討することになった。
(後略)
産経新聞) - 12月15日2時57分更新

 最近皇位継承特集を組んでいる産経は別だが、男系・女系に対する国民の認識をすら一向に高めようと努力せず、世論を偏った方向に誘導することに何ら痛みを感じない大手マスコミは、この問題の行方次第では大きな世論の反撃を受けることになるに違いない。国民を愚弄する態度は、インターネット利用者の数が増加するに伴い、その臨界点に達したときに購読者激減という事態を招くことが現実のものになるだろう。宅配制度に胡座をかいていては、実質的報道の空白化という道を辿るしかない。それは正に報道の死を意味する。



 ブログランキングへ←共感して戴いた方、クリックをお願いします。